最近はセクハラ、パワハラ、DVなど多くの問題が社会全体で叫ばれています。なんだか少しづつ暮らしやすい社会へ進んでいるようにも見えます。
一方で、話題にもならない隠れたハラスメントもあるようです。
それは、とても特殊な性格の人による家庭内ハラスメントで、貧困生活者や引きこもり者の支援をした際に、また私生活の中でも身近に感じ取るようになりました。
そのハラスメントとは「毒母、毒妻」といった表現もありますが、”自意識過剰で自己中心的” ”内省をしない” ”感謝の気持ちを持たない” ”自己顕示欲が強い” 自分の存在価値を高く見られたい”といった傾向が特別に強い女性の言動により他者に苦痛を与えるというものです。
こういった人のハラスメントは決して法的にも罪にはならないですし、社会的にも取り上げられることは少ないのが現実です。
その被害者は、家族だから仕方がないと諦めている場合が多いのですが、その不快感によるストレス、は家庭外の社会生活や子供の心の成長にまで悪影響を及ぼしているようです。
にもかかわらず他者には相談し辛いですし、相談をしたとしても家庭内の事ですし、しかも特殊な悩みなので理解してもらうことは難しいでしょう。
知らず知らずの刃:母親の隠れたハラスメントが子供を蝕む不幸
一見すると愛情深く、献身的な母親。しかし、その陰で子供が言葉にできない苦しみを抱えているとしたら……。近年、「隠れハラスメント」という言葉が注目を集めていますが、それは親から子へ、特に母親から子供へと向けられる場合、より深刻な影響を及ぼす可能性があります。
直接的な暴力や暴言だけがハラスメントではありません。むしろ、巧妙に隠された言動こそが、子供の心を深く傷つけ、長期的な不幸の種を蒔くことがあるのです。
それは愛情? それとも支配? 隠れたハラスメントの形
母親による隠れたハラスメントは、様々な形をとり、子供をじわじわと追い詰めていきます。
- 精神的な支配とコントロール: 子供の意見や感情を無視し、「あなたのため」という言葉で行動を制限する。進路や友人関係に過干渉し、子供の自主性や自己決定感を奪います。「私が間違っているはずがない」「あなたにはまだわからない」といった言葉で、子供の判断を否定し、自信を喪失させます。
- 感情的な操作(モラルハラスメント): 不機嫌な態度を露骨に示したり、無視したりすることで、子供に罪悪感や不安感を植え付けます。「私がこんなに苦労しているのに」「あなたさえいなければ」といった言葉で、子供に責任を感じさせ、自己肯定感を低下させます。
- 言葉の暴力と否定的な評価: 直接的な暴言はなくても、「あなたは本当にダメな子ね」「何をしても中途半端だ」といった否定的な言葉を繰り返し浴びせることで、子供の自己評価を著しく傷つけます。些細なミスを執拗に責めたり、他の子供と比較したりすることも、同様の影響を与えます。
- 過度な期待: 子供の能力を超えた過度な期待を押し付け、「もっと頑張りなさい」「あなたならできるはず」という言葉でプレッシャーをかけ続けます。結果が出ないと失望感を露わにし、子供に無価値感を抱かせます。
- 罪悪感の植え付け: 「あなたのために私は何をしてこなかった?」といった言葉で、子供に恩を着せ、行動をコントロールしようとします。子供が自分の意思を主張すると、「親不孝だ」と非難し、罪悪感を抱かせます。
隠された刃が子供の心に刻む傷
これらの隠されたハラスメントは、子供の心に深い傷跡を残します。
- 自己肯定感の低下: 常に否定的な評価を受け続けることで、「自分は価値のない人間だ」という感覚が形成されます。
- 不安や抑うつ: 親の不安定な感情や支配的な態度に常にさらされることで、慢性的な不安や抑うつ状態に陥りやすくなります。
- 人間関係の困難: 親との健全な関係を築けなかった経験から、他者との信頼関係を築くことが難しくなります。過度に相手の顔色を窺ったり、依存的になったりする傾向が見られます。
- 適応の困難: 自分の意見や感情を抑え込むことが習慣となり、社会生活において自分のニーズを主張したり、主体的に行動したりすることが難しくなります。
- トラウマ: 長期間にわたる隠されたハラスメントは、心理的なトラウマとなり、フラッシュバックや感情的な不安定さを引き起こすことがあります。
無意識の加害者にならないために
母親自身も、過去の経験やストレス、社会的なプレッシャーなど、様々な要因によって、無意識のうちに隠されたハラスメントをしてしまっている可能性があります。
大切なのは、自身の言動を客観的に見つめ直し、子供のサインに注意深く耳を傾けることです。子供の表情が曇っていたり、以前は話していたことを話さなくなったりした場合、それは助けを求めているサインかもしれません。
もし、自身の言動に隠されたハラスメントの要素があると感じたら、一人で悩まずに専門家の助けを求めることが重要です。カウンセリングなどを通して、健全な親子関係を築くための方法を学ぶことができます。
子供の未来のために、隠された刃を捨てる勇気を
母親の隠されたハラスメントは、子供の今だけでなく、未来にも暗い影を落とします。子供の自己評価を高め、健全な精神を育むためには、親自身が認識し、変わる勇気を持つことが不可欠です。
愛情という名の隠された刃を手放し、子供が自分の翼で羽ばたくことができるよう、温かい目で彼らを見守ることが、真の愛情と言えるのではないでしょうか。
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