トルコリラでスワップポイント投資を始めたいけれど、どの通貨ペアを選ぶべき?」
「TRY/JPY(トルコリラ/円)の買いだけでなく、CHF/TRY(スイスフラン/トルコリラ)の売りも気になる…」
高金利通貨として人気のトルコリラですが、実は対円で買うか、対スイスフランで売るかによってリスクの性質や運用のしやすさが大きく変わります。
今回は、LIGHT FXなどのスペックを参考に、CHF/TRY売り(1,000通貨) と TRY/JPY買い(60,000通貨) を同じ投資金額規模(約19万2,000円相当)で徹底比較しました!
前提条件と基本スペックの比較
まずは計算の基準となるレートと、それぞれのポジション規模を整理してみましょう。
算出に使用した前提レート
- TRY/JPY(トルコリラ/円): 1リラ = 約3.2円
- CHF/JPY(スイスフラン/円): 1フラン = 約192円
- CHF/TRY(スイスフラン/トルコリラ): 1フラン = 約60.0リラ(192円 ÷ 3.2円)
基本スペック比較表
| 比較項目 | ① CHF/TRY(売り 1,000通貨) | ② TRY/JPY(買い 60,000通貨) |
|---|---|---|
| 取引ポジション金額 | 約192,000円相当(1,000 × 192円) | 約192,000円(60,000 × 3.2円) |
| 必要証拠金(25倍) | 約7,680円 | 約7,680円 |
| 1日あたりスワップ目安 | 約120円 〜 150円前後 | 約120円 〜 150円前後 |
| 含み損が出るパターン | CHF/TRYの上昇(リラ安・フラン高) | TRY/JPYの下落(リラ安・円高) |
| 主なリスク要因 | CHF・TRY・JPYの3通貨 | TRY・JPYの2通貨 |
ポイント
CHF/TRY 1,000通貨と TRY/JPY 60,000通貨は、ほぼ同規模のポジション金額(約19.2万円)となり、1日あたりの獲得スワップの規模感も同等になります。
スワップポイントの特徴と違い
どちらも「低金利通貨を売って、高金利通貨のトルコリラを買う」構造になるため、日々のスワップポイントを受け取ることができます。
- CHF/TRY(売り)
- 超低金利国のスイスフランを売り、高金利のトルコリラを買うポジションです。
- クロス円以外のペアですが、獲得したスワップ(リラ建て)は決済時や付与時に自動的に円換算されて口座に反映されます。
- TRY/JPY(買い)
- 日本円を売り、トルコリラを直接買います。
- LIGHT FXなどの「LIGHTモード」対象になることが多く、スプレッドやスワップの付与スペックが優遇されやすいメリットがあります。
ロスカットリスクと変動耐久性の比較
最も大きく異なるのが、どんな市場環境でロスカットリスクが高まるかという点です。
CHF/TRY(売り):円高に強いが「フラン高」に注意
- 含み損が増える条件: スイスフラン高 & トルコリラ安(CHF/TRYの上昇)
- リスクの特徴:
- 全体的な「リスクオフ(世界的なショック)」で急激な円高が進んだ際、トルコリラ安と同時にスイスフランも対円で売られれば(フラン安・円高)、CHF/TRYのレート自体は相殺されて相場が崩れにくいという強みがあります。
- 一方で、スイスフランは「有事の安全通貨」として買われやすい側面があります。地政学リスクなどでフラン独歩高になると、リラ安と相まって含み損が急拡大するリスクがあります。
TRY/JPY(買い):シンプルだが「円高・リラ安」のダブルパンチに注意
- 含み損が増える条件: トルコリラ安 & 円高(TRY/JPYの下降)
- リスクの特徴:
- トルコリラ独自の価格下落だけでなく、日本市場全体での「急速な円高」の直撃を受けます。
- 例えば60,000通貨の場合、TRY/JPYが 0.1円下落するごとに 6,000円の含み損が発生します(0.5円下落で30,000円の含み損)。
ロスカットのリスク(危険度)を客観的な「ロスカットまでの許容下落幅(耐性幅)」と「下落確率(危険度スコア)」として数字で定量化して比較します。
前提条件と資金設定(例:自己資金 50,000円)
- 証拠金(口座資金): 50,000 円
- 取引口座: LIGHT FX(ロスカット基準:証拠金維持率 100%)
- 必要証拠金(レバレッジ25倍): 各 約 7,680 円
ロスカットまでの耐性(数字での比較)
どちらのポジションも必要証拠金が約7,680円のため、耐えられる含み損の上限は約 42,320 円(50,000円 − 7,680円)です。
TRY/JPY(買い 60,000通貨)
- 1円下落したときの含み損: 60,000 円
- 0.1円下落したときの含み損: 6,000 円
- ロスカットまでの許容下落幅:60,000 通貨42,320 円≈0.705 円(約 70.5 銭)
- ロスカットライン: 現在レート 3.20 円 → 約 2.495 円
【危険度の数字】
現在のレート(3.2円)から**約22%下落(−0.705円)**すると強制ロスカットになります。
CHF/TRY(売り 1,000通貨)
CHF/TRYが上昇(フラン高・リラ安)すると含み損が発生します。1,000通貨の場合、1 TRY(レートの目盛り)動いたときの損益は、対円レート(TRY/JPY 3.2円)を掛けて計算します。
- 1 TRY 上昇したときの含み損: 1,000 CHF×1 TRY×3.2 円=3,200 円
- ロスカットまでの許容上昇幅:3,200 円/TRY42,320 円≈+13.225 TRY
- ロスカットライン: 現在レート 60.0 TRY → 約 73.225 TRY
【危険度の数字】
現在のレート(60.0)から**約22%上昇(+13.225)**すると強制ロスカットになります。
シナリオ別「危険度スコア」の比較(5段階評価)
「どちらが危険か」は、発生する相場状況によって数字が変わります。
| 相場シナリオ | ① CHF/TRY(売り)の危険度 | ② TRY/JPY(買い)の危険度 | 理由・メカニズム |
|---|---|---|---|
| A. 急激な円高ショック (リーマンショック級・日本発の円高) | ★★☆☆☆ (低) | ★★★★★ (最高) | ①は対円ではないため円高の影響を受けにくい。②はリラ安+円高で直撃を受ける。 |
| B. 有事のフラン買い (欧州・中東の地政学リスク発生) | ★★★★★ (最高) | ★★☆☆☆ (低) | ①は「安全通貨スイスフラン」が独歩高になり直撃。②はフランの影響を受けない。 |
| C. トルコ独自の信用失墜 (エルドアン大統領の発言・利下げ) | ★★★★☆ (高) | ★★★★☆ (高) | どちらも「トルコリラ売り」になるため、同程度にリスクが高まる。 |
数字で見るまとめ(リスク比較表)
| 比較項目 | ① CHF/TRY 売り(1,000通貨) | ② TRY/JPY 買い(60,000通貨) |
|---|---|---|
| 許容できる変動率 | 約 +22.0%(60.0 → 73.225) | 約 −22.0%(3.20 → 2.495) |
| 1日の想定変動リスク | 約 300円 〜 1,000円 | 約 600円 〜 1,800円 |
| 円高耐性 | 強い(相殺されやすい) | 弱い(下落に直結する) |
| 有事(戦争・テロ等)耐性 | 弱い(フラン高で急増する) | 中程度(市場全体の傾向に従う) |
結論
同じ証拠金・同じ投資規模で運用する場合、ロスカットにかかる「割合(約22%の変動)」自体は数値上ほぼ同じです。
- 市場全体の「円高ショック」を恐れる場合 → CHF/TRY(売り) の方がロスカット危険度は低い。
- 「地政学リスクによるフラン急伸」を恐れる場合 → TRY/JPY(買い) の方がロスカット危険度は低い。
メリット・デメリットのまとめ
それぞれのメリット・デメリットを整理しました。
CHF/TRY(売り)のメリット・デメリット
- メリット
- 急激な円高ショックに強い: 日本円の影響を直接受けにくいため、クロス円全体が暴落する場面でも比較的耐性があります。
- 金利差の活用: 低金利のフランと高金利のリラの差をダイレクトに享受できます。
- デメリット
- 有事のフラン買いリスク: 世界的なリスクオフでスイスフランに資金が集中すると含み損が膨らみます。
- 計算がやや複雑: 2つの外国通貨を介するため、実質レバレッジや資金管理の直感的理解に慣れが必要です。
TRY/JPY(買い)のメリット・デメリット
- メリット
- 圧倒的なわかりやすさ: 「あと何円下がったらロスカットか」など、損益計算や資金管理がシンプルです。
- 取引環境の優位性: 取引高が多く、スプレッド縮小キャンペーンなどの恩恵を受けやすいです。
- デメリット
- 円高とリラ安の二重苦: トルコリラ安と円高が同時に重なると、下落圧力が一気に高まります。
あなたにはどちらがおすすめ?
CHF/TRY(売り)が向いている人
- 「急激な円高ショックでまとめてロスカットされるのを避けたい」
- 円高局面での相殺効果(ヘッジ機能)を考慮して運用したい
TRY/JPY(買い)が向いている人
- 「資金管理やロスカットラインの計算をシンプルに保ちたい」
- 複雑な通貨ペアではなく、直感的に損益を把握したい
トルコリラなどの高金利通貨運用では、どちらのペアを選ぶ場合でも十分な余剰資金を用意し、低レバレッジで運用することが長期生存のカギとなります。ご自身の投資スタイルに合った通貨ペアを選んでみてくださいね!