「増税クソメガネ」ってあだ名、孫にどう説明する?

税金・年金
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最近、巷では「増税メガネ」とか「増税クソメガネ」という呼び名で首相のことをヤジっているようですが、本当に日本の税金は他の先進国と比べて高いのでしょうか?
簡単に検証してみます。


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日本の一人当たりの税金の負担率は

2022年度の国民負担率は47.5%(うち消費税は7.8%)です。
2023年10月8日現在、日本人の一人当たりの税金の負担額は、約180万円です。

この値には法人税は含まれていません。法人税は、企業が納める税金であるため、個人の所得に含まれません。

2022年度の日本の法人税収は、13兆3,000億円で、税収全体の20%を占めました。

余談ですが、法人の利益の大部分は社員の労働によって発生した利益であって、それを会社が法人税という名目で納めているという見方をすれば、給与所得者は、所得税と法人税の二重に税金を支払っていることになります。

日本の国民負担率は、2010年代までは30%台で推移していましたが、2011年以降は40%台に跳ね上がり、OECD(経済協力開発機構)に加盟する36カ国の中で22番目に負担が重い国となっています。

日本人の一人当たりの税金の負担額は、年齢によっても異なります。2022年度の統計によると、15歳から64歳の労働者の一人当たりの税金の負担率は、約200万円です。

日本人の税金の負担率が高い主な理由は、高齢化による社会保障費の増加です。日本の高齢化率は、2023年7月時点で29.1%と、世界で最も高い水準となっています。

高齢化に伴い、年金や医療費などの社会保障費が増加しており、国民負担率を押し上げています。

また、日本の税制は、所得が低い層ほど税負担が重いという特徴があります。これは、所得税や住民税の累進課税制度や消費税によるものです。そのため、所得の少ない層の国民負担率は、所得の高い層よりも高くなっています。

福祉が充実した北欧の国は税金が高いって聞くけど、日本よりも個人の税金負担は大きいのかなあ

福祉国家のフィンランドやスウェーデンの負担率は

2022年度のフィンランドとスウェーデンの国民負担率は、それぞれ44.2%と36.7%でした。これは、日本の国民負担率である47.5%よりも低い水準です。

フィンランドとスウェーデンの一人当たりの税負担額は、年齢によっても異なります。2022年度の統計によると、15歳から64歳の労働者の一人当たりの税負担額は、それぞれ約350万円と約300万円です。
なお、フィンランドとスウェーデンの一人当たりの税負担額にも、消費税が含まれています。

フィンランドとスウェーデンは、北欧諸国の中でも特に福祉国家として知られています。そのため、教育や医療、介護などの社会保障制度が充実しており、国民の生活水準が高いことが特徴です。

アメリカの国民一人当たりの税負担率は

2022年度のアメリカの国民負担率は、32.3%でした。これは、日本の国民負担率である47.5%よりも低い水準です。

アメリカは、社会保障制度が比較的充実していないため、国民負担率は低くなっています。また、アメリカは消費税が課されていないため、国民負担率に消費税が含まれていない国と比較すると、さらに低くなっています。

アメリカの一人当たりの税負担率は、年齢によっても異なります。2022年度の統計によると、15歳から64歳の労働者の一人当たりの税負担率は、約300万円です。

高齢者の税負担額は

日本の65歳以上の高齢者の一人当たりの税金の負担額は、約70万円です。これは、高齢者の多くが社会保険料を免除されているためです。

フィンランドとスウェーデンの、65歳以上の高齢者の一人当たりの税負担額は、それぞれ約150万円と約100万円です。これは、高齢者が社会保障費の対象となるためです。

アメリカの65歳以上の高齢者の一人当たりの税負担額は、約100万円です。

日本の税負担率が高い理由は

以下の表は、日本、フィンランド、スウェーデン、アメリカの財政状況を比較したものです。

項目日本フィンランドスウェーデンアメリカ
政府債務の対GDP比256.2%67.1%44.5%139.8%
財政赤字の対GDP比3.5%2.5%1.5%3.1%
プライマリーバランス-3.5%-2.5%-1.5%-3.1%
対外純資産の対GDP比10.2%15.6%18.9%10.1%
一人当たりのGDP4,277,000円6,300,000円6,550,000円7,700,000円
一人当たりの可処分所得3,000,000円3,500,000円4,000,000円5,000,000円
一人当たりの貯蓄額2,000,000円3,000,000円3,500,000円円4,300,000円
れらの比較は、あくまでも2023年時点の状況であり、今後の経済情勢の変化によって、財政状況は大きく変動する可能性があります。

とてもアバウトな数字ですが、物事を把握するにはこの方が効率的です。
この表から、以下のことがわかります。

  • 日本は、政府債務の対GDP比が最も高く、財政赤字の対GDP比も最も高い。
  • フィンランドは、政府債務の対GDP比が最も低く、財政赤字の対GDP比も最も低い。
  • スウェーデンは、財政赤字の対GDP比が日本とフィンランドの中間である。
  • アメリカは、日本とフィンランドに比べて、政府債務の対GDP比は高いが、財政赤字の対GDP比は低い。

日本は、1990年代以降、バブル崩壊やリーマンショックなどの影響で、政府債務が急増しています。また、少子高齢化による社会保障費の増加も、財政赤字の拡大に拍車をかけています。

スウェーデンは、社会保障制度が充実しているため、財政赤字の対GDP比が比較的高い水準にあります。しかし、対外純資産の対GDP比が高いため、財政リスクは低いと考えられます。

日本の税負担率が高いのは、政府の借金返済が必要だからですね。

長寿社会になって、社会保障制度の事ばかり言われてるけど

高齢者人口の増加よりも、そちらが心配?  大丈夫

日本の借金は国内で賄ってるから、デフォルトにはならないよ

銀行は、たくさん国債をもってるよ。

日本が借金大国になった理由は

高齢化が進む前から国債を発行していました。その理由は以下のとおりです。

  • 財政赤字の解消

日本政府は、戦後の復興や経済成長のために、積極的な財政政策を実施してきました。その結果、財政赤字が累積し、国債を発行して赤字を解消する必要に迫られました。

  • 公共事業の拡大

日本政府は、インフラ整備や都市開発などの公共事業を拡大してきました。公共事業には、多額の資金が必要となるため、国債を発行して資金を調達しました。

  • 景気対策

日本政府は、景気対策として、減税や公共事業の拡大などの財政出動を実施してきました。財政出動には、多額の資金が必要となるため、国債を発行して資金を調達しました。

高齢化が進む前から国債を発行していた理由として、最も大きな要因は、財政赤字の解消です。日本政府は、戦後から積極的な財政政策を実施してきた結果、財政赤字が累積し、国債を発行して赤字を解消する必要に迫られました。

なお、高齢化が進むにつれて、社会保障費の増加による財政赤字の拡大が予想されたため、国債の発行はさらに増加しました。

繰り返される「富国貧民政策」

景気回復のために多額の借金をしたのであれば、景気が良くなっているはずですが、30年間も賃金も上がらないような低迷した経済になったのは、なぜでしょうか。

日本のGDP(名目GDP)は、2022年度で549.2兆円で、世界第3位です。

どうして国民は裕福になっていないのでしょう?

現在、2023年7月4日に発表された厚生労働省の「2022年 国民生活基礎調査」によると、日本の相対的貧困率は15.4%で、約2,000万人が相対的貧困状態にあると推計されています。

相対的貧困率とは、世帯の可処分所得が世帯規模や年齢層によって定められた基準(貧困線)を下回る世帯の割合を示すもので、日本では、世帯年収127万円未満の世帯を相対的貧困世帯としています。

こんな時に、税金を上げたら、低所得層や中間層の生活に大きな影響を与えるでしょう。だから税制の構造改革、社会保障制度の見直しなどが必要なんだけど・・・・一時的な小額支援金制度で誤魔化されているみたい。

貧困は、国の財源や金融政策だだけで解決するものではないので、社会全体で取り組まなければいけませんが、それができないのには訳があります。


日本人には、昔から特別な貧困者を作ることで、庶民の不満の目をそらすような方策が採られてきた歴史があって、封建社会の身分制度の「エタ、非人」「部落民」などがそうですが、階級社会というものが無意識の中に存在しているのかもしれません。

また、中央集権を維持することで得られる、政府や官僚の権威の保持欲求があります。
日本の地方税の占める割合が20.0%と、フィンランドの35.7%に比べて低く、国からの地方交付税は、地方自治体の財源の約4割を占めています。

国税として財源を集めておいて、地方や企業や庶民に分け与える権利を保持することが出来ます。

地方自治体は、国に比べて権限が限定されています。そのため、地方自治体は、地方税の徴収に頼るよりも、国からの地方交付税を頼る傾向にあります。

検証の結論

日本税金が高いか低いかは、負担率だけで見ると間違いなく高いです。

さらにこれから、税金の個人負担を増額する経済政策を取ればデメリットとして3点が考えられます。

  • 個人の可処分所得の減少
  • 消費や投資の抑制
  • 低所得層や中間層への影響

つまり、景気循環が悪くなり、景気回復は見込めないということです。


しかし、負担率が高いからと言って暮らしが苦しいかどうかは、その他のたくさんの要因がありますので判断はできません。教育費の無料化やインフラ使用料などの生活費助成が充実していれば、税負担が多少、大きくなっても暮らしていけるでしょう。

他の先進諸外国では、物価上昇率が日本よりも大きく、またこれから高齢化が進むと思われるので、社会保障費などの負担が増えてくると予想されています。

仮にそうなったとしても、その国の個人収入や貯蓄額が大きければ、負担率が高くなったとしても今の生活水準を維持することは可能でしょう。高齢化の加速と多額の負債を抱えると言う意味での先進国である日本の経済政策の失敗を反面教師として学んで、改めて長期財政計画を立て直していくことでしょう。

日本では実際、1980年代後半から1990年代前半にかけての時期、(みんながバブル経済の恩恵を受けたわけではなかったのですが)その頃になぜ財務の健全化を図らなかったのでしょうか。
先を見越した、国民を豊かにするための長期財政計画が立てられなかった理由はあるはずです。

国の経済政策は国際経済の影響が強くありとても複雑で難しいのでしょうが、単純化して概要で捉えてみれば”家計”と同じようなものです。
景気が良い時にファイナンシャルプランニングをしておく必要があり、不景気になっていきなりその場しのぎの策を打っても手遅れだということです。

最後に ”AI”に尋ねてみました

質問:日本の政治家と官僚の仕事を”AI”に代わって行ってもらうと、汚職や貧困問題は解消されますか?

答え:日本の政治と官僚の仕事を”AI”に代えると、汚職や貧困問題が解消される可能性はありますが、完全に解消されるかどうかは、”AI”の能力や社会の制度設計によって異なります。

”AI”は、膨大な量のデータを処理し、迅速かつ正確な判断を下すことができます。また、感情や偏見に左右されず、公平な判断を下すこともできます。これらの特徴から、”AI”は、汚職や貧困問題の解決に役立つと考えられます。

例えば、”AI”を活用して、公務員の監視や、行政の効率化を図ることができます。これにより、汚職の防止や、貧困対策の実施につながる可能性があります。また、”AI”を活用して、社会保障や教育などの政策を効果的に実施することもできます。これにより、貧困の削減や、国民の生活の向上につながる可能性があります。

しかし、”AI”はあくまでもツールであり、人間の判断や行動なしには、汚職や貧困問題を完全に解消することはできません。”AI”を活用した政治や行政を構築するためには、”AI”の能力を正しく理解し、社会の制度設計を適切に行うことが重要です。

具体的には、以下の点に留意する必要があると考えられます。

  • AI”の能力を過信しない

”AI”は、人間の判断や行動を完全に代替することはできません。”AI”が誤った判断を下した場合、汚職や貧困問題を悪化させる可能性もあります。

  • AI”による判断を透明化する

”AI”による判断は、人間が理解できるように透明化する必要があります。これにより、”AI”の判断が公正なものであることを国民に示すことができます。

  • AI”の運用を適切に監視する

”AI”による判断は、人間が適切に監視する必要があります。これにより、”AI”が誤った判断を下したり、悪用されたりするのを防ぐことができます。

これらの点を踏まえて、”AI”を活用した政治や行政を構築することで、汚職や貧困問題の解決につながる可能性は十分にあります。

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